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夜間2時間の真剣勝負! 橘ルーフ企画×BMCエバールーフやまなみ2型/ニスクルーフL145が仕掛ける、野丁場板金の「超・省人化」への取組み

エピソード20

夜間2時間の真剣勝負! 橘ルーフ企画×BMCエバールーフやまなみ2型/ニスクルーフL145が仕掛ける、野丁場板金の「超・省人化」への取組み

ゲスト橘ルーフ企画株式会社
代表取締役社長 釼持 雅一 氏
住所:神奈川県小田原市小船1026
聞き手ビルトマテリアル株式会社
北埼玉支店
内田邦夫

少子高齢化に伴う深刻な職人不足、そして高止まりを続ける労務費。現在の野丁場板金業界が直面するこの巨大な課題に対し、現場の「生産性向上」と「超・省人化」で鮮やかな答えを出している企業がある。神奈川県小田原市に拠点を置く、橘ルーフ企画株式会社だ。
同社が主戦場とするのは、終電から始発までのわずかな時間、ビス1本の落下すら許されない極限の安全基準が求められる「鉄道関連の改修現場」である。時間と空間の厳しい制約の中で、ゼネコンから絶大な信頼を獲得している同社。
また工場及び物流倉庫案件等L145という選択が野丁場現場の圧倒的なスピードと安全、そして「省人化」につながるのか。橘ルーフ企画の釼持雅一社長と、同社を7年にわたり支え続けるビルトマテリアル(以下、BMC)の内田邦夫が、これからの金属屋根改修戦略を熱く語り合った。


目次

マネジメント視点で築く「多能工」と極限の安全基準

本日はお忙しい中、ありがとうございます。御社の社名「橘ルーフ企画」には、釼持社長のご経歴と深い想いが込められていると伺いました。

ええ。私の出身地である神奈川県の旧・橘町(現・小田原市)という地名に由来しています。あえて社名に「企画」と付けたのは、私が現場の叩き上げではなく、マネジメント側の出身だからです。単に現場で手を動かすだけでなく、金属屋根の施工全体をプロセスから「マネジメント・企画」するという意志を込めて創業しました。

御社の主戦場である鉄道関連の工事は、一般的な建築現場とは全く次元が違うそうですね。

まったく違いますね。鉄道インフラは24時間常に動いています。私たちが作業するのは主に夜間です。特にホーム上家など屋根作業においては、終電が通過し、線路閉鎖の手続きを終え、架線の送電停止を確認唱和を行い本作業に着手します。そこから片付けや始発前の厳格な安全点検の時間を差し引くと、実際に折板を葺いたりビスを揉んだりできる時間は、実質平均して2時間あるかないかです。

しかも、ホーム上屋の真下には線路などの駅設備があり、「ビス1本を下に落とした」「資機材などが軌道内に置き忘れた」となれば、事故事象扱いとなり、最悪の場合は運行見合わせにつながる重大インフラ事故です。隠蔽や妥協は一切通用しない、究極のコンプライアンスが求められる世界です。

その凄まじいプレッシャーの中で、どのように施工品質とノーミス・無災害を両立させているのでしょうか。

弊社では「落とすな、落ちるな、忘れるな」を安全三原則として徹底しています。月に1回の社内安全衛生協議会による座学はもちろん、工具類にはすべて二重の落下防止ワイヤーを義務付け、持ち込み工具なども員数確認表を用いて確認を行います。

さらに、もう一つの大きな強みが、職人の「多能工化」です。一般的な野丁場現場では、鉄骨の胴縁や母屋の取付は鍛冶屋、屋根は板金屋、最後の雨仕舞はシール屋と分業されますが、弊社では得意先のご依頼があれば工種を複数請け負います。

そのため弊社の職人は、下地の加工・取付から、折板、外壁材の建込み、雨仕舞の役物加工、仕上げのシリコーンのシーリング施工まで、すべて一貫して自社で対応できるように育成に努めております。同じ職人チームが最初から最後まで責任を持つからこそ、割付の狂いや施工の不具合をその場で瞬時に修正でき、結果として高い安全基準とスピードをクリアできるのです。


夜間の過酷な現場を支える「厚物の在庫」と「デリバリー力」

そのような高い安全基準と時間的制約がある中で、弊社BMCと約7年にわたりお取引をいただいております。数あるメーカーや問屋の中で、BMCを選んでいただいている「決め手」は何でしょうか?

一番の理由は、「圧倒的なデリバリーの信頼性」「厚物・特殊材のラインナップ」です。

夜間2時間しか作業できない私たちにとって、材料の納期遅れや欠品は幸吉園に直結する致命傷になります。BMCさんは他社と比較しても、納期管理や現場搬入のリスク対応の信頼性が極めて高い。

さらに、鉄道や公共性の高い現場では、強度や耐久性の観点から「厚物」の鋼板や、高耐候な「フッ素鋼板」を指定されることが多々あります。BMCさんはこれら厚物・特殊材の在庫ラインナップが素晴らしく、必要な時に確実に手に入る。営業マンの対応力、適正な価格、そして確実な夜間搬入デリバリー。マネジメントの観点から見て、BMCさんは最も安心して現場を任せられるパートナーです。


なぜ「ニスクルーフL145」なのか? 野丁場を劇的に変える5つの強み

実際の現場では、BMCが成形・供給する日鉄鋼板の高強度二段嵌合式折板「ニスクルーフL145(働き500)」を数多くご採用いただいています。現場の最前線からの評価はいかがでしょうか?

 結論から言うと、L145は単なる高強度折板ではなく、「現場の無駄な工程を極限まで削ぎ落とし、人手を減らすための機能」が詰まった建材ですね。特に野丁場の大型案件や物流倉庫、工場改修でこれを選ぶメリットは絶大です。具体的には、大きく5つのメリットを実感しています。

1つ目は、一般的なハゼ2型(BMC製品でいうH160-200やH160-230など)と比較して、タイトフレーム接合部強度が2倍強ある点です。さらに、タイトフレームに設けられた4カ所の嵌合部が本体とがっちり噛み合う「2段嵌合方式」を採用しているため、風荷重を効果的に分散し、非常に高い耐風圧強度を保ってくれます。

2つ目は、この高強度を活かした設計段階からの「鉄骨削減・コストダウン」への提案力です。従来よりも母屋(もや)のスパンを飛ばす(減らす)設計が可能なため、設計初期段階から組み込めれば、ゼネコンや施主に対して「鉄骨量を減らしてトータルコストを下げる」という非常に強い付加価値提案ができるようになります。

3つ目は、「吊子レス」がもたらす施工スピードの大幅短縮と負担軽減です。通常のハゼ式折板と違い、吊子(つりこ)留めの工程が一切不要なため、吊子を設置する手間と時間が丸ごとカットされ、施工スピードが劇的に向上します。また、通常のハゼ式は屋根を葺く方向が固定されるため「施工方向」に神経を使いますが、L145の嵌合式なら現場の状況に合わせて左右どちらからでも葺き始めることが可能です。折板を踏みつけて嵌合させる構造なので、作業員の身体的負担も軽い。このスピードと柔軟性が助けとなります。

4つ目は、断熱工法(二重葺き)における「バックリング音(音鳴り)低減効果」と施工のシンプルさです。金属屋根の熱伸縮で発生するパキパキというバックリング音(音鳴り・爆裂音)は施工後のクレームになりやすい深刻な問題ですが、L145は「通常施工のままで音鳴り低減効果」という特徴もあります。従来のハゼ2型だと断熱金具が複雑で3パターンもの施工法を現場で使い分ける必要がありましたが、L145なら断熱金具は「1種」のみ。打合せや手配、現場での施工管理がこれ以上ないほどシンプルになります。

5つ目は、物流倉庫・工場に最適な「SGL生地」の圧倒的な耐食性です。これらの大型案件では、コストの観点から色なしの鋼板(GL生地)の使用率が極めて高いですが、BMCさんが供給するL145は、ガルバリウム鋼板にマグネシウムの防錆効果をプラスした「SGL生地」の原板を標準使用しています。カタログ上、通常のガルバより3倍強の耐食性があり、海岸から500m以上離れていれば「穴あき25年」の長期保証が付く。このスペックは、施主様への大きな安心材料になります。

現場の最前線でL145の特性をそこまで解剖し、使いこなしていただいて感激です。注意点としまして吊子がない構造ゆえに、熱伸縮にて本体の動きが大きくなる傾向があるため、スレ防止策としまして一部母屋に純正の「滑り止め吊子」を使用していただいておりますが、2025年の設計技術資料にてシングル折板、二重折板共に設置箇所が一部追加変更になっておりますので再確認お願いします。。あとはまれにあります軒先斜めカット施工時がございましたら角度等の注意点がありますので事前に対応可能か確認します。

また、駅ホームの改修では既存スレートを剥がして弊社の「やまなみ2型」もご採用していただいていますね。施工のメリット・デメリットを教えてください。

 基本はフックボルトで本体を留める施工になりますが、「やまなみ2型」は転がりにくく、フック施工との相性が抜群に良い。現場の職人からも施工しやすいと好評ですよ。


共に創る「省人化」と、次世代の板金工法

ありがとうございます。最後に、橘ルーフ企画様の今後の展望と、これからのBMCへの期待をお聞かせください。

現在の建設業界、特に野丁場板金における最大の課題は、人手不足と労務費の高騰です。私たちの今のリアルな目標は、「現在20人を要している現場作業を、12人程度(約60%)の人数で、これまで以上の安全性と品質を保って回せる体制」を構築することです。そのためには、昔ながらの古典的な工法や固定観念に固執していては絶対に生き残れません。

その「超・省人化」に向けて、私たちBMCのような成形メーカー・問屋ができることは何でしょうか。

例えば、大人数の体制が必要となる50メートル級のロングスパン折板屋根を、ジョイント(継手)を上手く使ってショートスパンで安全・迅速に施工できるようにする新工法の開発などです。とにかく、現場の「人工(にんく)」を減らせる商品やサービスを一緒に考えてほしい。

また、古いスレート屋根に対して、最近主流になりつつある液剤で固めるような「スレート蘇生工事」がありますよね。あれに対抗できるような、「圧倒的に早くて、安くて、安全な改修用金属屋根材・工法」の登場にも期待しています。

私たちは現場のリアルなノウハウと技術を提供します。BMCさんには優れた材料と開発力を提供してもらい、お互いの強みを持ち寄って業界の課題を解決する。そんな「共存共栄」の共同開発を、ぜひ進めていきたいですね。

「現場の人工をいかに減らすか」。これはまさに、これからの野丁場板金店様すべてが直面するテーマであり、我々メーカーとしても挑戦しがいのある大きな宿題をいただきました。

L145が持つ「吊子レス」「断熱金具のシンプルさ」といった強みをさらに洗練させ、いただいた課題を社内に持ち帰って、次世代の省人化工法を実現したいと思います。本日はありがとうございました。


編集後記

橘ルーフ企画様が実践する「多能工化」と徹底された安全管理。環境の厳しい夜間作業でも確実に材料を届けるBMCの供給体制。この両者の掛け合わせこそが、日本の鉄道インフラの安全を守る強力な武器になっていることを確信したインタビューとなりました。ビルトマテリアルはこれからも単なる資材供給にとどまらず、施工店様と一体となり、現場発のイノベーションを起こし続けます。

(取材・構成:ビルトマテリアル株式会社 成長戦略室)

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