

お客様の声
エピソード16
| ゲスト | 株式会社ウチダ 工事部長 青山 紘己 氏 Web:http://www.uchida-net.jp/ 住所:愛知県豊橋市問屋町1-5 |
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| 聞き手 | ビルトマテリアル株式会社 浜松営業所 岡野 智幸 |
愛知県豊橋市の老舗問屋、株式会社ウチダ。12年前に青山氏がゼロから立ち上げた「工事部」は、今や14名の精鋭集団へと成長を遂げました。あえて非住宅分野に特化し、地元の板金店と共存する独自のハイブリッド戦略。そして、プロが現場の相棒として選ぶ「GMルーフ」の真価とは。青山氏と、BMCの岡野が、板金業界の未来と信頼の本質を語り合いました。

本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただきありがとうございます。青山部長は入社後、材料販売が本流である株式会社ウチダの中で、たった一人で「工事部」を立ち上げられたと伺っています。当時の板金業界の状況や、問屋という立場を考えると、立ち上げ当初は相当な逆風やご苦労があったのではないでしょうか。
ええ、まさに「ゼロからの出発」でした。当時から職人不足の時代で、一番の課題は、「職人探し:工事をしてくれる職人がまわりにいない」ことでした。そしてもう一つ、大きな壁となったのが既存の得意先様との関係性です。問屋である私たちが自ら工事を始めるということは、地元の板金店様からすれば「ウチダが俺たちの仕事を奪いにくるんじゃないか」という警戒心を持たれるリスクが非常に高かった。この心理的な抵抗感をどう解消するか、最初は本当に頭を悩ませましたね。
得意先である板金店様との競合リスクは、材料問屋が施工に参入する際の最大の難所ですよね。その高いハードルを、具体的にどのようなアプローチで乗り越えられたのですか?
私たちが取ったのは、徹底した「棲み分け戦略」です。まず、地元の板金店様がメインとされている住宅の葺き替えや地域の一般建築の領域には、こちらから手を出さないと明確に決めました。その代わり、私たちが目をつけたのが、手間も施工管理能力も高度に求められる「非住宅物件(大型の工場、倉庫、店舗など)」の領域です。折板屋根の改修や、規模の大きな物件の板金工事は、販売店としての強力な材料供給力と、安全・工程を管理する組織的なノウハウの両方が必要になります。この領域に特化することで、得意先様と競合するのではなく、むしろ「手に余る大型物件はウチダに相談しよう」と言っていただけるような、地域における独自のハイブリッドなポジションを確立することができました。
なるほど。問屋としての「材」の調達力や知識に加え、今や14名の精鋭を抱えるまでに成長した「工」の実行力。この2つが融合したハイブリッド体制だからこそ生み出せる、他社にはない強みとはどのような部分にあると感じていますか。
一言で言えば、「フラットで客観的な提案力」です。どうしても職人上がりの管理者や施工専門の会社だと、技術的なこだわりが強くなりすぎて「手間がかかる難しい仕事=良い仕事」と考えがちになります。しかし、私はあえて一般の施主様や設計士様の感性を大切にしたいと考えているんです。 例えば、破風(はふ)や鼻隠しの板金巻きの現場をイメージしてください。職人は「ハゼを細かく組んで継ぐのがプロの腕だ」と主張しますが、現代の設計士さんや施主様の目線から見れば、余計な線をなくしてスッキリと切りっぱなしで継いだ方が、圧倒的に美しく見えることもある。私たちは技術の押し売りをするのではなく、建物のデザインや施主様のニーズに合わせて、最適な納まりを客観的に提案できる。この「プロの調整役」としての視点を持っていることが、今のウチダの大きな強みになっています。

技術と意匠のバランスを客観的に見極める視点、非常に勉強になります。実は、青山部長が工事部を立ち上げられた当初、当社(BMC)の存在感はそれほど高くなかったと伺いました。それが今では、ウチダ様の主力商品の仕入先No.1として深くお付き合いさせていただいています。この関係性の変化には、どのような背景があったのでしょうか。
正直に言うと、以前は他のメーカーさんや仕入先さんの影に隠れていて、BMCさんの印象は薄かったですね(笑)。それがここまで変わったのは、もちろん製品自体が素晴らしいというベースもありますが、何よりも歴代の担当者の方々の「熱意」と「リアクションの良さ」に尽きます。近藤部長(現:北関東営業部)から始まり、鈴木所長(現:浦安営業所)、そして現在の岡野さんへと引き継がれていく中で、全員に共通しているのは、とにかくしつこいほど現場や弊社に顔を出してくれることです。
そう言っていただけると本当に救われます。私自身、現場のリアルな空気感や職人さんの声を肌で知りたくて、用事がなくてもついつい足がウチダ様の方へ向いてしまいます(美術)。
私が思う「本当に優秀な営業マン」とは、誰もができる簡単なことを、誰よりも愚直に継続できる人です。定期的に訪問して顔を出す、電話があればすぐに出る、無理な納期調整の相談にも決して諦めずに誠実に向き合う。この「凡事徹底」ができるかどうか。板金業界という世界は、デジタル化が進んだ今でも、最後は泥臭い人間関係と信頼の積み重ねで動いています。BMCさんは、万が一現場でトラブルが起きたときでも、絶対に逃げずに私たちと一緒に頭を下げて、解決に向けて動いてくれる。そこまでの安心感があるメーカーだからこそ、こちらも信頼して、お客様に「GMルーフ」を主力として自信を持って提案できるんです。

営業として、これ以上ないお言葉をいただき胸が熱くなります。その強固な信頼関係の中で、弊社の定尺横葺き屋根「GMルーフ」を数多くご採用いただいています。数ある屋根材の中で、プロの目から見たGMルーフの真価、そして継続して使い続けてくださる決め手を教えていただけますか。
結論から言うと、「意匠性と施工性の高度な両立」が、私たちがGMルーフを選び続ける最大の理由です。具体的には、主に次の「4つの強み」に集約されます。
1. コストパフォーマンス(耐久性との両立)
あえて裏面の断熱材(裏張り)を省くことでコストを徹底的に抑えつつ、原板には次世代ガルバリウム鋼板「SGL」を採用している。耐久性を一切妥協せずに予算に応じた最適な提案ができるこの仕様は、コスト管理が厳しい近年の非住宅物件において、私たちの強力な武器になっています。
2. 「小羽葺き」を再現したデザイン性
日本の伝統的な『小羽(こば)葺き』を美しく再現した高い意匠性は、他の屋根材にはない独特の高級感を演出してくれます。優れた嵌合(かんごう)構造のおかげで、この美しい水平ラインと高い防水性能を同時にクリアできる点も魅力ですね。
3. 「ウォーターガード構造」と施工性
現場目線で設計された「新開発ウォーターガード構造」も欠かせません。踏み割れを防ぐ下ハゼ部の形状や、断面強度を高める『アヤメ折』など、施工ミスを防ぎつつスピーディーに仕上げられる工夫が詰まっています。とにかく嵌合部がスムーズで、ストンと入る。この「リズム良く葺ける」という特性は、人工不足が深刻な今の現場において、最大のコストダウンになります。近年のゲリラ豪雨にも耐えうる高い防水性を、誰が施工しても均一に確保できる安心感がありますね。
4. 非住宅市場で差がつくカラーバリエーション
一般的な「裏張りあり」の金属定尺横葺き屋根は選べる色が少ないのが常識でしたが、GMルーフは裏なしで10色以上の豊富な多色展開をしてくれている。私たちの主戦場である非住宅市場(工場や店舗など)では、他社との差別化や、企業のコーポレートカラーに寄り添ったスタイリッシュな意匠提案が強く求められるため、大変助かっています。
当社の商品開発チームがこだわったポイントを、現場で活かしていただけて本当に嬉しいです。「材」の知識と「工」の実行力を持つウチダ様だからこそ、この製品のポテンシャルを最大限に引き出していただけているのだと改めて実感しました。

今後のさらなる製品開発や改良に向けて、何か現場からの手厳しい要望やフィードバックはありますか?
ぜひ「付属部材の拡充」をさらに加速させてほしいですね。ケラバの包みや役物周りなど、より現場での納まりを標準化できる純正パーツがさらに増えれば、経験の浅い若い職人や熟練工でなくても、常に高い品質でスピーディーに仕上げられるようになります。これからの時代、メーカーが「納まりの正解」をあらかじめ機能的な部材として提供してくれることが、現場の省力化だけでなく、これからの職人育成には不可欠だと考えています。
非常に重要なご指摘です。技術の平準化と職人育成の観点からも、純正パーツの拡充は急務ですね。現場の声をすぐに社内の開発チームにフィードバックし、早期にカタチにできるよう全力を尽くします。
最後に、青山部長が普段から熱く掲げられている「板金業界の地位向上」と、これからの次世代育成という夢についてお聞かせください。
私は、建築板金という仕事は最高にクールで、これからのAI時代にこそ価値が高まるクリエイティブな職業だと思っています。設計図を見て、自分が頭に描いた立体的な形状を、一枚の平らな金属の板から自分の手でカタチにしていく。これは、工場で大量生産される規格化された工業製品には絶対に真似できない、職人の高度な指先のアートであり技です。 この素晴らしい技術を途絶えさせないために、ウチダでは今、あえて機械整備士などの「異業種出身の未経験者」を自社職人として積極的に採用しています。彼らが迷わず成長できるように、背中を見て覚えろという古いスタイルではなく、「職人が持つ暗黙知の技術集を分かりやすく言語化したマニュアル」を自社で作成しながら、現代的なアプローチで技術伝承を進めているところです。
職人技のブラックボックスをなくし、未経験の方でもモノづくりの楽しさを体系的に学べる最先端の環境を作られているのですね。素晴らしい取り組みです。また、地域の子どもたち向けの活動も精力的に行われているとか。
はい。やはり次世代を担う子どもたちに、建築板金は「かっこいい仕事なんだ」と知ってもらうことが一番大切ですから。そのため、豊橋市のビジネスパークなどで定期的に子ども向けの体験学習会を開催しています。一般の方には馴染みが薄いかもしれませんが、どんなに有名で複雑なデザインの近代建築も、雨を凌ぐための板金の技術がなければ絶対に完成しません。その社会的価値と魅力を世の中に広く発信し、業界全体を中から盛り上げていく。それが、私をここまで育ててくれた板金業界への恩返しだと思っています。
青山部長のその熱い想いと志に寄り添い、応えられるよう、私たちBMCも単なる材料メーカーの枠を超え、製品の磨き込みと誠実な対応でしっかりと未来へ伴走させていただきます。本日は本当にありがとうございました!

今回の取材を通じて最も心に響いたのは、青山紘己部長の「工事×材販」というハイブリッドな立場だからこそ見える、次世代の板金業のあり方と伝統的な技術への深い敬意でした。 変化の激しい時代において、現場を強力に支える「GMルーフ」が、ウチダ様の高い志を実現するための最高の武器であり続けられるよう、私たちビルトマテリアルも全国の現場を誠心誠意サポートしてまいります。
(構成・文:ビルトマテリアル株式会社 成長戦略室)
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