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明治43年創業、100年の伝統が語る「信頼と適正利益」の重み:三和建材工業が主要仕入れ先をBMCにする理由と、次世代へ繋ぐ「現場の近代化」

エピソード24

明治43年創業、100年の伝統が語る「信頼と適正利益」の重み:三和建材工業が主要仕入れ先をBMCにする理由と、次世代へ繋ぐ「現場の近代化」

ゲスト三和建材工業株式会社
代表取締役 原 耕三 氏
東京都杉並区下高井戸1-9-14
聞き手ビルトマテリアル株式会社
北埼玉支店
内田 邦夫

東京・下高井戸に本社を構える三和建材工業株式会社。そのルーツは明治43年(1910年)、東京・本郷で創業した「銅友」にまで遡ります。
関東大震災や第二次世界大戦の戦禍を乗り越え、下高井戸に拠点を移してから今日に至るまで、同社は一貫して都内の建築板金業界を牽引してきました。大手ゼネコン各社から絶大な信頼を寄せられ、売上の大半を主要鉄道路線の駅舎や都心ターミナル駅周辺などの鉄道関連工事(野丁場・非住宅物件)、公共施設等が占めております。さらには、独自の物流網を構築して伊豆七島での離島工事にも対応するなど、業界屈指の機動力と技術力を誇る老舗企業です。
家業を継いで半世紀以上、御歳83歳となる3代目・原耕三社長が大切にしてきたのは、「人とのご縁」と「コツコツと適正利益を積み重ねる堅実さ」でした。
一度は他社にシフトした時期がありながらも、現在は一般案件の資材仕入れでは大半をビルトマテリアル(BMC)へ。長年の絆を結び直した原社長と、同社に伴走するBMC北埼玉支店の内田が、100年の歩みとこれからの板金業界について、深く語り合いました。


目次

明治43年創業。100年の伝統と「人との縁」が紡ぐ堅実な野帳場施工

原社長、本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき誠にありがとうございます。御社は明治43年創業と伺っておりますが、まずは創業からの歴史と、これまで歩んでこられた道のりについてお聞かせいただけますでしょうか。

こちらこそ、いつも大変お世話になっております。うちのルーツは明治43年頃、祖父が文京区本郷で始めた「銅友」になります。昭和15年頃に現在の世田谷区下高井戸へ移転し、「三和板金」を経て「三和建材工業」として再出発いたしました。「三和」という社名は、創業当時に長野県にてご縁のあった知人から和を持って営むというような事からの由来のようです。
私自身は生まれも育ちも板金屋でして、父である2代目から事業を引き継ぎ、3代目として長く現場と経営に携わってまいりました。現在は4代目となる息子(専務)への事業承継を進めながら、次の時代に向けた足場固めを行っているところです。

100年以上の歴史の中で、数々の大手ゼネコン様と深い信頼関係を築かれていらっしゃいますね。

ええ。特に主要私鉄の駅舎工事や、都心のターミナル駅周辺の再開発・改修工事など、鉄道関連の野丁場(非住宅)工事、公共案件が売上の主力となります。駅舎の工事というのは、終電から始発までの限られた夜間作業や、多種多様な安全管理書類の提出など、非常に高度な施工管理と緊張感が求められます。庇(ひさし)や切板工事、仮設工事など、難しい要求に応え続けてきたことが現在の信頼に繋がっていると感じますね。

また、御社は伊豆大島などの「伊豆七島」での離島工事においても豊富な実績をお持ちです。離島での施工はロジスティクス(物流)が最大の難所と言われますが、どのように対応されているのでしょうか?

大手建設会社様からお声がけをいただいたのがきっかけでした。離島の空港や小中学校、周辺施設などの現場ですね。離島工事では、資材をいつ、どの船で運ぶかという物流計画が肝になります。貨物船や定期船を活用した物流網と、現地で滞りなく施工できる職人体制を自前で構築してきました。他社が敬遠しがちな困難な現場でも、工夫を凝らして完工させるのが私たちの意地でもあります。

長年、会社を安定して成長させてこられた一番の要因は何だとお考えですか?

振り返ってみれば、すべて「人とのご縁」に恵まれたおかげです。ゼネコンの皆様、腕の立つ職人たち、そしてBMCさんのような信頼できる材料屋さん。皆さんに助けられてここまで来られました。
建築全体の中で、板金工事が占める費用割合は全体の約3%程度です。決して「バカ儲け」ができる業種ではありません。しかし、参入障壁が高く専門性が求められる分、適正な利益を着実に、コツコツと積み重ねていける堅実さがあります。派手な欲を出さず、お客様と職人を大切にしながら地道に続けてきたことこそが、100年もの間、商売をさせて頂けた理由だと思っております。


天下屋鉄店(BMCの創業時の屋号)時代からの歴史と、長年の信頼が結実した「一本化」

御社と弊社との付き合いは、前身である天下屋鉄店(のちの山大鉄商~ビルトマテリアル株式会社)時代まで遡る非常に長い歴史がありますね。一時期は他社様からの仕入れが中心だった時期もありましたが、現在は調達先に弊社も取り組みさせていただいております。その「決め手」は何だったのでしょうか?

初台にあった天下屋さんの倉庫内を覚えてますね。平板が山積みでしたよ。
一番の理由は、内田さんという「人」への信頼ですよ。
かつて取引が離れていた時期もありましたが、内田さんが営業担当になってから、昔からの人間関係が再び結実いたしました。野丁場を手掛ける板金屋が集まる会合などで、社員も内田さんが若い頃からずっと顔を合わせ、親しく付き合ってきましたからね。内田さんの熱心な対応と、現場の状況を誰よりも理解してくれる安心感があったからこそ、「じゃあ、BMCさんに任せよう」と再び仕入先の選択視にすることを決めたんです。 他社の独自な成型品指定の時は汎用下地材だけでもBMCからと気を使ってますし、立平仕様の時はデコルーフを提案させていただいております。全てOKという事にはなりませんが確率は良いかと。また折板においてはL145を提案しておりますので更なる協力をお願いします。

そう言っていただけると、営業冥利に尽きます! 長年の付き合いがあるからこそ、原社長の期待を絶対に裏切れないという強い想いで日々対応させていただいております。

また、BMCさんの成形品の加工精度や納品配送には信頼を置いています。野丁場の現場では、材料のわずかな寸法誤差や納まりの不具合が、工程全体の遅れに直結します。その点、加工のやり直しが発生せず、安心して職人に渡すことができる。天候や工程遅れ時の納期変更の対応もスムーズ。この長年の実績も大きな決め手ですね。


クレームゼロの加工精度と、現場を支える「伴走型」パートナーシップ

実際に弊社の成形品を現場でご使用いただいて、施工性や品質に対する評価はいかがでしょうか?

「これまでBMCさんの商品起因によるクレームは一度も起きていない」。これがすべてを物語っていますよ。
折板をはじめとする加工品の精度、工場での微妙な角度や働きの調整力が成型品加工メーカーとして素晴らしい。現場で職人が無駄なストレスを感じることなく、スッと納めることができる。板金屋根の構造を熟知しているBMCさんだからこその品質だと感心しております。

勿論、番頭さんのフォローや職方さんの施工フォローにも大分助けていただいておりますが「クレームゼロ」のお言葉、製造・管理部門にとっても最高の褒め言葉です! 野丁場の大規模現場では、材料の仕様選定、搬入経費によってコストも大きく変わってきますよね。

ええ。例えばSGL(高耐食溶融めっき鋼板)を採用するか、通常のカラー鋼板にするか、あるいは生地(素地)で納めるかによって、大規模な現場では数十万から数百万円単位のコスト差が生じます。
そうした際にも、単に高い材料を売るのではなく、現場の用途や耐久性、コストのバランスを考えた提案を内田さんが一緒に考えてくれる。野丁場・非住宅の現場だからこそ、ただの「材料売り」ではなく、施工店に寄り添って課題を解決してくれる「伴走型」の姿勢が何より心強いと感じています。


物流の効率化提案と、若手が安心して働ける「労働環境の近代化」へ

ありがとうございます。最後に、三和建材工業様の今後の展望と、弊社BMCへのご要望、そして業界の未来についてお聞かせいただけますでしょうか。

BMCさんへの今後の要望としては、「物流・運送コスト削減に向けた柔軟な共同提案」をお願いしたいですね。
現在、業界全体で物流費が高騰しております。単に「現場指定の日時通りに運ぶ」ということだけでなく、お互いの配送効率を高める提案が欲しい。例えば、「当日朝の指定配送だと運賃が高くなるが、前日午後の自社便の空き枠を活用して納品させてもらえれば、配送コストをこれだけ浮かせる」といったような提案です。双方にとって無駄なコストを削り合えるような、一歩踏み込んだ協業を期待しています。

配送スキームの効率化ですね。自社便の運行ルートを活用した前日納品のご提案、追加品対応など、現場毎とはなりますが1オーダーに対しての コスト対策も提案していきます。業界の課題である「人材育成や労働環境」についてはいかがでしょうか?

それこそが、私たちが今最も危機感を持っているテーマです。現在、うちの社内で一番若い職人でも36歳。20代の若手が業界全体に入ってこないのが深刻な課題です。
一部では外国人労働者に頼る動きもありますが、都内となると住居コストの負担や数年で母国へ帰国してしまう教育・定着上の難しさから、うちは安易な外国人採用は行っていません。やはり、日本人の若い世代が「ここで働きたい」と思える環境を作らなければダメです。
そのためには、昔ながらの過酷な労働条件から脱却し、「労働環境の近代化」を進めることが不可欠です。

具体的にはどのような改革が必要だとお考えですか?

1施工業者だけでは改善できませんが、各現場にて朝8時からの朝礼なので朝の出発がはやい、日曜日しか休めない勤務体系、有給休暇の不備といった古い慣習を改め、「完全週休二日制の導入」「適正な労働時間の管理」「充実した福利厚生」を整えていくことです。若い人たちが安心して長期的に働き、将来を描ける会社構造へ変革していかなければなりません。
板金工事は、建物がある限り絶対になくならない堅実で素晴らしい仕事です。だからこそ、私から4代目の専務へバトンを繋ぎ、若い職人が誇りを持って働ける環境を作り上げていく。それこそが、明治から続く伝統を守り、次の100年へ会社を存続させる私たちの責任だと思っております。

原社長の歴史に裏打ちされたお言葉、自由で先進的な経営提言に深く感動いたしました。物流コストの効率化はもちろんのこと、若い職人様が安全かつ効率的に働ける製品とサービスの提供を通じて、これからも三和建材工業様のパートナーとして全力で伴走してまいります。本日は誠にありがとうございました!


編集後記

「板金工事は建築費用の約3%。だからこそ派手な欲を出さず、適正利益をコツコツと積み重ねる」。 御歳83歳になられる原社長が語ったこの言葉には、明治43年の創業以来、幾多の時代の荒波を乗り越えてきた老舗企業ならではの圧倒的な重みと謙虚さが溢れていました。
主要鉄道路線の駅舎をはじめとする緊張感あふれる野丁場工事や、伊豆七島での厳しい離島施工。他社が敬遠する現場を誠実に納め続けてきた三和建材工業様が、主力仕入れをBMCにしていただき、「クレームゼロ」と信頼を寄せてくださっていることは、メーカーとしてこの上ない誇りです。
「自社便を活用した配送コスト削減」という現場目線の双方からの提案や、「完全週休二日制など労働環境の近代化」という未来への提言。原社長からいただいた貴重な宿題を胸に刻み、BMCはこれからも三和建材工業様と共に歩み、板金業界の持続可能な未来を築いてまいります。

(取材・構成:ビルトマテリアル株式会社 成長戦略室)

 

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