お客様の声

「最後はバケツと雑巾で仕上げる」—現場への敬意と親子の絆。愛知・片田板金が「デコルーフ」と共に築く、嘘のないリフォームと職人の誇り

エピソード25

「最後はバケツと雑巾で仕上げる」—現場への敬意と親子の絆。愛知・片田板金が「デコルーフ」と共に築く、嘘のないリフォームと職人の誇り

ゲスト片田板金
専務取締役 片田 克広 氏
住所:愛知県春日井市東野町西1-4-14
聞き手初穂商事株式会社 課長代理 杉山 直隆 氏
ビルトマテリアル株式会社 名古屋支店 小林 輝晶

愛知県春日井市を拠点に、約40年にわたり地元に根差した建築板金業を営む「片田板金」。代表を務める片田克広氏は、18歳で父の会社に入社して27年、長きにわたり現場の最前線で技術を磨き続けてきました。
近年は新築の過酷な価格競争からあえて距離を置き、リフォーム工事を主軸(約7割)に事業を展開。「お施主様に直接『ありがとう』と喜んでいただける仕事」に真のやりがいを見出しています。
そんな片田板金の代名詞とも言えるのが、「圧倒的な現場の美しさ」です。施工完了後は必ずバケツと雑巾を持って屋根に上がり、拭き上げて足跡一つ残さない。その真摯な姿勢は、お施主様への礼儀にとどまらず、次に現場へ入る他業種の職人様への深い敬意から生まれています。
「『できません』『やれません』といったネガティブな発言は決してしない」。そう謙虚に語る片田氏が、嵌合(かんごう)式立平金属屋根の施工において、毎回必ず指名買いしているのが、ビルトマテリアル株式会社(BMC)の「デコルーフ」です。
なぜ、現場を愛し、仕上がりに一切の妥協を許さないプロの職人がBMC製品を選ぶのか。片田氏と、日頃から同社に製品を納入しサポートする販売パートナー・初穂商事の杉山氏、そしてBMC名古屋支店の小林が、板金技術の真髄とこれからの建築板金業界への想いについて、じっくりと語り合いました。


目次

父の背中から学んだ「コツコツ進める」姿勢と、現場の美しさ

BMC 小林: 本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき誠にありがとうございます。片田専務は18歳の時にお父様の会社に入られ、この道約40年になると伺っております。

片田専務: はい。幼少期の頃から、工場や現場が私の最高の遊び場でした。常に建築板金と隣り合わせの日常でしたので、高校を卒業する際も、ごく自然な流れで父の会社に入社いたしました。

初穂商事 杉山氏: 私は日頃から納品でお邪魔させていただいていますが、親子でのお仕事は、技術の継承も含めてご苦労があったのではないでしょうか?

片田専務: 正直に申し上げますと、若い頃は施工の手順や仕事の進め方を巡って、父と激しく衝突することも多々ありました(笑)。ですが、どれだけ喧嘩をしても、翌朝にはお互いケロッとして一緒に現場へ向かっていましたね。仕事を休んだり、現場から逃げ出したりしたことは一度もありません。 それはやはり、毎日黙々と現場に向かう父の背中を見て、「仕事とは、目の前の現場を一日一日コツコツと真面目に進めることだ」という基本が、自分の体に染み付いていたからだと思います。

BMC 小林: 素晴らしいお父様の教えですね。現在、御社はリフォーム工事が全体の約7割を占めているとお聞きしました。現場で施工される上で、一番大切にされている「こだわり」や信条は何でしょうか?

片田専務: 第一に、元請け様やお施主様からいただいたご依頼に対して、「できません」「やれません」といった後ろ向きな発言は絶対にしないことです。プロとしてお引き受けする以上、どうすれば美しく安全に納められるかを考えます。自分自身はもちろん、職人にもプロ意識に欠ける言動はさせません。

そしてもう一つが、「圧倒的な現場の美しさ」です。私たちの仕事は屋根や外壁といった建物の防水機能を担うことですが、単に雨を漏らさないだけでなく、軒先やケラバのつかみ(曲げ加工)を強固にし、歪みのない真っ直ぐで美しい線を出すことにトコトンこだわっています。

初穂商事 杉山氏: 御社の現場にお伺いすると、いつお邪魔しても資材や工具が整然と整理整頓されており、私たち配送スタッフも身が引き締まる思いがいたします。

片田氏: 恐縮です。私たちは施工の最後、必ずバケツと雑巾を持って屋根や足場周りを丁寧に拭き上げます。ビスの切り粉や土汚れ、足跡一つ残さずに引き渡す。これはお施主様への当然の礼儀ですが、同時に私たちの次に現場に入られる塗装屋さんやクロス屋さんなど、他の職人さんたちが気持ちよく作業できるようにするための「現場への敬意」でもあると考えております。


三位一体で解決した「デコルーフ傷防止ラップ養生」のエピソード

BMC 小林: そのような細やかな気配りと妥協のない高い技術を持たれる御社に、弊社の嵌合式立平屋根「デコルーフ」を毎回ご指定いただいております。数あるメーカー製品の中で、継続してご採用いただいている理由をお聞かせください。

片田専務: 一番の理由は、現場で働く職人の声に真摯に耳を傾けてくださり、製品やデリバリーの改善にどこまでも妥協しない姿勢に深く共感しているからです。

初穂商事 杉山氏: 片田専務、以前パッケージや運搬時の擦り傷防止について、一緒に改善に取り組んだことがございましたね。

片田専務: ええ、よく覚えております。長尺の立平屋根材を現場へ配送していただく際、運搬時の振動や擦れによって、鋼板表面に微細な擦り傷が入ってしまう課題がありました。立平は製品の形状上、表と表を抱き合わせて梱包するため、輸送中の揺れで嵌合部の面同士が干渉し、塗装面を傷つけてしまうことがあったのです。私たちは仕上がりの美しさに命をかけていますから、わずかな傷も見過ごすわけにはいきません。

その際、BMCの小林さんと、販売窓口である初穂商事の杉山さんにお越しいただき、現場での荷降ろしやトラック輸送の実態をゼロから見直す話し合いをさせていただきました。

BMC 小林: 当初は手作業で嵌合部に養生テープを貼る試みもいたしましたが、現場で剥がす際にテープが途中でちぎれてしまい、かえって職人様の施工の手間を増やしてしまいました。

片田専務: そこで提案していただいたのが、「立平と立平の間に専用のラップを挟み込む」という方法でした。嵌合部全体が隠れるよう、立平のサイズよりも少し広いラップを挟んで梱包することで、鋼板同士の直接の干渉を完璧に防ぐことができたのです。 この一間の工夫と手作業による手厚い対応のおかげで、現在では運搬時の擦り傷報告が完全にゼロになりました。片田板金、初穂商事さん、BMCさんの「三位一体」で現場の課題を解決できた時、「ここまで現場の品質に寄り添ってくれるメーカーと問屋が存在するのか」と、本当に胸が熱くなりましたね。

BMC 小林: あの節は貴重なご指摘をいただき、誠にありがとうございました。製品をただ製造して届けるだけでなく、職人様が箱を開けてそのまま現場で最高の施工ができる状態でお届けすることこそが、メーカーの果たすべき真の品質管理だと痛感いたしました。


デコルーフの強固な嵌合精度と「さざなみ加工」がもたらすプロの安心感

初穂商事 杉山氏: 実際に現場で「デコルーフ」を施工されている職人さんたちからの、施工性に関するリアルな評価はいかがでしょうか?

片田専務: 正直に申し上げまして、うちの職人たちはみんな「デコルーフが一番施工しやすい」と喜んでいますよ。なぜなら、屋根全体が寸分の狂いもなく非常に美しく仕上がるからです。

以前使用していた他社さんの嵌合式立平は、噛み合わせ部分が甘く緩かったり、寸法精度にわずかなバラつきがあったりして、現場で通りを出すのに大変なストレスを感じていました。しかし、BMCさんのデコルーフはロール成型の精度が極めて高く、かんごう部が少し固めで非常に強固に噛み合います。そのため、金属特有の「働きの伸び縮み(ズレ)」が極限まで抑えられ、一間の水下から水上までスッと真っ直ぐに通った美しい屋根が、極めてスムーズに施工できるのです。

BMC 小林: 現場の最前線に立つ職人様からそこまで評価していただけることは、成型機のメンテナンスや品質管理を行っている製造現場にとっても最大の励みになります。また、御社がデコルーフをご注文いただく際、必ず杉山さん経由で「さざなみ有り(小波付け加工)」をご指定されるのには、どのようなプロの技術的理由があるのでしょうか?

片田専務: 近年の地球温暖化による、猛暑時の「熱伸縮および音鳴り対策」です。 カラー鋼板などの金属屋根材は、夏の強い日差しを受けると表面温度が上昇して急激に膨張し、日陰に入ると収縮します。この際、フラット面が大きいと鋼板がベコンベコンと音を立てて波打ち、跳ねるような音鳴り(ポンピング現象)が発生することがあります。この異音はお施主様にとって大きな不安材料になってしまいます。

表面に「さざなみ」の小波加工を施すことで、鋼板の熱による伸縮を縦横に上手く逃がす(吸収する)ことができるのです。さらに、下地のわずかな不陸(凹凸)を美しく隠す効果もあります。元請け様やお施主様からも「さざなみ加工が入っていることで非常に意匠性が高く、重厚感があって安心できる」と大変高い評価をいただいております。


次世代「通気立平屋根」への期待と、若手が誇りを持てる環境づくり

初穂商事 杉山氏: 最後に、片田板金様の今後の事業展望と、メーカーであるBMCへの新たなご要望、そしてこれからの業界を担う若い世代へのメッセージをお願いいたします。

片田専務: BMCさんへの今後の製品開発の要望といたしましては、先ほど申し上げた「熱伸縮と音鳴り対策」をさらに一歩進めた製品の開発をお願いしたいと思っております。現状、長尺物で施工する際はビスピッチを455mm(間柱・垂木ピッチ)に細かく留めても、極端な寒暖差によってわずかに音鳴りが残ってしまうケースがあります。

そこで、断熱材(裏貼り)を貼らなくても、屋根材自体で高い断熱効果と通気性能を兼ね備えた「新しい通気機能付き・嵌合式立平屋根」をぜひ開発していただきたいのです。お施主様に永続的な安心とお買い得感を提供できる製品であれば、仮に製品価格が従来より高くなったとしても、私たちは自信を持ってお客様にご提案し、喜んで採用させていただきます。

BMC 小林: 大変貴重で切実なご提案をありがとうございます。熱伸縮と音鳴りの抑制、そして通気性の確保は、今後の金属屋根リフォーム市場における極めて重要な技術テーマです。技術開発部門に即座にフィードバックし、次世代屋根材の製品化に向けて真剣に検討させていただきます。

片田専務: 今後の展望といたしましては、これからも新築の不毛な価格競争に巻き込まれることなく、自社の確かな技術と丁寧なサービスで勝負できるリフォーム工事に一層力を入れてまいりたいと考えております。適正な利益をしっかりと確保し、それを現場で汗を流す職人たちに還元していく。そして、「若い人たちが将来に夢を持って板金職人を目指せる」ような、十分な給与と手厚い労働環境を整えていくことが私の使命だと思っております。

夏の猛暑や冬の凍てつく寒風の中で行う屋根工事は、決して楽な仕事ではありません。しかし、自分たちがバケツと雑巾で磨き上げ、魂を込めて納めた屋根が、この先何十年もお施主様のご家族と暮らしを守り続け、直接「片田さんに頼んで本当によかった」と感謝される。これほど誇らしく、やりがいに満ちた仕事は他にないと自負しております。

若い世代の皆さんには、恐れることなくこの建築板金の世界に挑戦していただきたいですね。これからも初穂商事の杉山さん、BMCの小林さんといった信頼できるパートナーの方々、そして情熱溢れる同業の仲間たちと切磋琢磨しながら、どこまでも謙虚に、一歩一歩技術を磨いてまいりたいと思います。

BMC 小林・初穂商事 杉山氏: 「最後はバケツと雑巾で拭き上げる」という言葉に込められた圧倒的なプロ意識と、現場への深い敬意に、私どもも深く胸を打たれました。初穂商事様とビルトマテリアルが強固なタッグを組み、片田専務をはじめとする職人の皆様が安全に、そして誇りを持って最高の仕事ができるよう、妥協のない製品づくりと完璧なデリバリーでこれからもサポートし続けてまいります。本日は誠にありがとうございました!

左:片田専務、右:初穂商事株式会社  杉山氏


編集後記

「施工後はバケツと雑巾で拭き上げ、足跡一つ残さない」。 インタビュー中、片田専務が静かに、しかし力強く語られたこの言葉には、お施主様、そして次に現場に入るすべての職人様に対する嘘偽りのない誠意と、職人としての深い美学が溢れ出ていました。

強固な嵌合精度とよれのない美しいラインを誇る「デコルーフ」が、そうした片田板金様のこだわりを足元から支える一助となっていることを、メーカーとして大変誇らしく思います。また、運搬時の傷問題を三位一体で解決した「ラップ養生」のエピソードは、私たちBMCが常に忘れてはならない「現場第一主義」の原点そのものです。

「通気機能付き立平屋根の開発」という新たな期待を胸に刻み、BMCはこれからも販売パートナーである初穂商事様と共に、現場の課題を解決する製品とサービスを生み出し続けてまいります。

(取材・構成:ビルトマテリアル株式会社 成長戦略室)

 

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